権限委譲の陥りがちな罠

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ビジネスの世界では権限委譲が大切であると言いますが、そこには落とし穴があります。

最終的な答えとしては、メンバーを気にかける、人を見る、という事が大事なのですが、そのロジックを説明したいと思います。

権限委譲までの流れ

例えば、飲食経験の無い会社が飲食店を始めるとき、社長なり取締役は自ら動いて事業をはじめます。

社長や取締役の時間は限りあるものなので、別の主事業との兼任となり、そして徐々に権限委譲をしていく事になります。この際の表現として「立ち上げが好き」「ゼロイチに向いている」を使う方もいます。

そして、外部から経験者を連れて来たり、社内から抜擢をして権限委譲をしていきます。権限委譲をする事により、担当者は動きやすくなり、事業責任者である社長や取締役も稼働を下げることができます。

責任まで渡してしまう事がある

権限委譲が完了すると、社長や取締役は前述の飲食店に行かなくなります。「もう俺が見なくても大丈夫」という理由で。

また、定期的に上がってくる収支レポートを見ては、業績が悪い場合「改善策を考えろ」「ちゃんとやっているのか」といった具合に、権限委譲するまでは言わなかったであろうコメントをしてしまいがちです。

本社という立場から、事業に対してまるで株主のような立場で接してしまいます。そういう社長や取締役っていませんか?

これは権限委譲だけでなく、責任まで負わせてしまっているのです。「権限を渡しているんだから当然だ」と押し切れるものではないと私は考えます。

責任とはつまり

それでは、権限委譲したあと、社長や取締役はその事業とどのように向き合うべきなのでしょうか。

いろんなやり方はあると思いますが、その一つは事業は見なくても、人を見ること、見るというのは面倒をみる事だと思います。

子供を一度作ってしまったら、仮に社会人になって親元を離れたところで、お縄になれば親が呼び出されます。親が責任を取るわけです。

この感覚に近いかもしれません。事業が起動に乗っているときは「用もないのに来やがって」と思われるかもしれませんが、お縄程はいかなくてもピンチの時にやってきて、ササっと処理をして帰っていく。これが責任なのだと思います。

つまり、権限委譲と責任はセットになっているわけではなく、権限委譲したところで、責任はその事業を立ち上げた社長や取締役が持ち続けるのです。

そして、退任する場合は後任がそれを引き継がなくてはならないのです。引き継ぎができないと、なし崩し的に権限委譲された人が責任まで負うことになり、良くない状態がうまれます。

したがって、自分の立ち上げた事業を残して退任する時は、後任を探して(他の取締役なども可)、「どうかこの事業の責任を負ってもらえませんか」と心からお願いするべきだと思います。

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