ベトナムEC × SA WAREHOUSE

ベトナム進出をお考えの皆さまへ、
ロジスティクスの現場からリアルな情報をお届けします。

中国と東南アジア、圧倒的ビジネス環境の違い

株式会社エスエイウェアハウス 里吉 美仁

 

越境EC(正規輸出販売も含む広義の越境EC)に関してたまにお問い合わせいただくのは「ベトナムがこれから盛り上がるのは理解したが、人口が遥かに多い中国は検討しなくて良いのか」という件である。我々がベトナムに住んでいるからという理由で「東南アジアが最も有力株なマーケットである」と言い切るのは良くないと思っている。

 

そこで2018年10月、中国の中でも特に新興マーケットとして注目されている深セン市・広州市を調査して気づいたことを整理していきたいと思う。

  1. 中国人は中国が世界の中心であると皆思っている
    そもそも”中華”というのは世界の中心という意味で、日本とは中華から見て日が昇る方向という意味で、越南とは中華から見て越国のさらに南という意味。
    現在においても、一般市民は日本や越南の事を良くも悪くも思っておらず、インターネットのアクセス制限などもあり「情報が入ってこない」のが実態だと感じる。また、広東省だけで1億1千万人以上住んでいるので、そんな遠くの事気にしてもしょうがない、といったところか。
  2. 必死に生きなければならない
    とにかく人の多い深センと広州。ある程度列には並ぶようになったものの人をかき分けて我先にという人は多い。エレベーターも降りる前に乗ってくる。それもこれだけ人口が居たら必死でやらないと簡単に置いて行かれたり、突然ゲートが締められてしまったりするのです。僕ら一行はホームのベンチで休もうとしていたらホームから外にでるゲートが閉まりそうになり冷や汗をかいた。
  3. 電化やIT化がハリボテ感
    特に深センは中国最大のITサービス企業テンセントの本社があったりドローンと自動運転のテスト都市など、キラキラしたイメージが強いが、実態は、
    ・電動自転車でのデリバリー
    →エンジン音しないしライトつけないので、夜は事故りそうで危ない
    ・WeChatペイでの電子決済
    →中国国内銀行口座が必要。よって外国人旅行者が使うのは難しい。便利な反面人民の口座や消費行動が監視されている
  4. インバウンドに感心なし
    英語は全く通じず、国際クレジットカードも全然使えない。(読み取り機自体は対応していても店員がその通し方をしらない)結果、現金がないと何もできない。両替の手数料も非常に高い。(それでも成田空港のベトナムドン両替のレートの悪さよりはマシだが)
    1に通じるのだが、広東人にとっては広東語が母語で、北京語が世界共通語のような感覚がありそう。なので、ここで期待されてもいないインバウンド旅行者が英語なんぞを求めてはいけない。
  5. 内陸部への玄関口としての魅力
    文句ばかり言ってるようになってしまったので、この辺で良い所を。
    香港→深セン→広州の順で少しづつオシャレ度が下がっていく。つまり逆に内陸から見ると広州に憧れたり真似する傾向にあり、マイクロインフルエンサー獲得など、中国内陸向けマーケティングの重要拠点になる予感がする。実際オシャレな若者は多く、お金もかけている様子だった。
  6. 圧巻のビル群とモール群
    例えるなら、広州市の中に何個も東京23区が入っているような規模感。滞在した天河区だけでも、お台場クラスのショッピングモールが5個ぐらい連なっていた。
    地震の無い地域なので高層ビルが立てやすく、100階オーバーのビルもいくつかあった。※動画の1つは97階からの深セン市内。
  7. 接客サービスはこれから
    インフラ・箱物の素晴らしさと比べ改善の余地があるのは接客。ワインのボトルを注文して、まだ水滴の付いているワイングラスが並べられたり、チェイサーで頼んだソーダをワインに混ぜてこようとした(ハイボール的な)のには驚いた。一方、接客サービスにあえて注目した事で人気に火がついたという火鍋屋につれていってもらったが、完璧なサービスで、わかっていればできる事を感じた。
  8. 観光資源の少ない割と退屈な街
    スーパー大都市の割には、お酒を飲む所や観光スポットは非常に少ない。ナイトクラブなら深センのほうが割とある印象。広州は歴史の古い都市だが、古い建造物はあまり残っておらず、ここ数十年で総入れ替えしてしまったようだ。旅行でいくのであれば、香港、深セン、広州と移動しながら1泊づつして違いを楽しむのがいいかもしれない。香港から広州でも新幹線で一時間程度の距離。

 

実は上記1〜8全て東南アジア各国(スペースの都合上まとめてしまって申し訳ない)と大きく異なる。冒頭の「ベトナムがこれから盛り上がるのは理解したが、人口が遥かに多い中国は検討しなくて良いのか」に対する答えとしては、圧倒的にビジネス環境が違うため常人では両方を同時に進めることはできない、と断言する。

 

東南アジアの中でもラスボス/魔境 などと称されるタイだが、それでも中国の特異さには敵わない。双方への進出を比喩するのであれば、

中国:渋谷センター街に個人名の喫茶店を作る

東南アジア:スタバの無い鳥取県にスタバを作る

これぐらいの違いはある。どちらにすべき、ということではない。考慮することが全く違うのである。最後は我々自身が渋谷にするのか鳥取にするのか決めるだけ。どちらでも集客できる可能性はあるし全力でやれることをやり尽くさないとわからない。

通販会社様の東南アジア進出を支える物流倉庫サービス
SA WAREHOUSE(エスエイウェアハウス)
私たちは圧倒的な顧客満足でリピート購入を加速する現地パートナーです